ロケットや人工衛星向け部品の
樹脂成形ハウジング/ケーシング

宇宙環境対応プラスチック成形品

SEKISUIは、「放熱」や「EMC制御」のプラスチック成形技術で培った車載向け樹脂コンパウンド・射出成形技術を、宇宙用途(ロケットや人工衛星向け部品開発)へ展開する新ビジネスを開始しました。車載分野において熱集中やノイズ、軽量化、部品点数削減という数々の課題解決に向き合ってまいりました。

「宇宙産業」でも同様の課題とともに、真空や放射線下、温度サイクルなど「宇宙ならでは」の特殊かつ過酷な使用条件も理解しています。開発初期の部品検討や調達段階から密接にお客様と協調し、宇宙プロジェクト成功のゴールを伴走したいと思っています。

熱とノイズのお客様課題解決に宇宙で挑みます!

宇宙産業における課題

高負荷環境の宇宙空間では
複数の課題が絡み合う

高負荷環境の宇宙空間

宇宙産業では、ロケットや人工衛星の小型化・軽量や高性能化に伴い、電子部品の高密度実装が進み、熱やノイズの課題が顕在化しています。
さらに、軽量化要求や打ち上げ時の振動、真空環境での放熱設計など、地上機器とは異なる複合課題への対応も不可欠です。
こうした環境下では、金属と樹脂それぞれの特徴を活かした、最適な部品構造の検討が求められています。

宇宙産業プロダクツ開発に悩みは尽きない

なぜ、宇宙用途には
金属代替が求められるのか?

軽量化と高機能化が進む宇宙産業製品では、
金属だけでは対応が難しい場面も増えています。

部品ごとの要求性能を見極めながら、
「金属とプラスチックを適材適所で組み合わせる」
ーーそんな柔軟な構造設計が、宇宙産業における
これからの開発に求められています。

宇宙産業に求められる5つのキーワード

宇宙産業ビジネスへの
応用を皮切りに
プラスチック成形品の可能性を拡大

こうした構造課題は、宇宙産業に限らず、高負荷環境で使用される精密機器に共通します。
電子機器の筐体や内部構造部品では、求められる性能も用途ごとにさまざまです。
部品ごとの要求特性を見極めた、最適な構造設計が重要になります。

プラスチック成形品の可能性を拡大

想定される宇宙産業プロダクツ

  • OBC(衛星搭載コンピュータ)
  • PCDU(電源制御ユニット)
  • 通信機器(RFユニット)
  • センサ制御ユニット
  • AI・データ処理ユニット
  • その他

各種筐体(ケーシング、ハウジング等)

SEKISUIが高負荷環境に対応した高機能プラスチック成形品をご提案

SEKISUIが想定する
宇宙産業用プラスチック成形品

高機能樹脂成形技術で
部品構造を最適化

放熱EMC樹脂×射出成形技術

SEKISUIでは、放熱性やEMI/EMC対応が求められる電子機器筐体に対し、
高機能樹脂材料と射出成形技術を組み合わせた構造提案が可能です。
車載電装部品で培った成形ノウハウを活かし、高負荷環境に適した部品開発を支援します。

熱拡散性を持つ樹脂材料の活用により、放熱性と軽量化の両立を図るとともに、
複雑形状の一体成形によって、ハウジングやカバーの設計自由度を向上。
さらに、金属部品の部分代替を含めた構造最適化により、部品点数削減や加工工数低減にも貢献します。

1

熱拡散性を持つ樹脂材料

放熱性を備えた樹脂材料の活用により、
熱集中を抑えた部品構造の最適化が期待できます。

2

電磁ノイズ対策(EMI/EMC)を両立

材料特性と構造設計を組み合わせることで、
電磁ノイズ低減と安定動作の両立を目指します。

3

成形による形状自由度

射出成形の強みを活かし、
複雑形状や一体成形による設計自由度を高めます。

4

金属部品の代替や
素材代替の可能性

部位ごとに高機能 樹脂化を検討することで、
軽量化や部品構成の最適化が実現できます。

NASA基準アウトガス抑止性能をクリア!

[アウトガス]

アウトガス抑止性能

積水材料は、アウトガス量も少なく、NASA基準クリア※※ TML:1%以下、CVCM:0.1%以下

宇宙での高い放熱性を実現する
「SEKISUIサーマルソリューション」

[ケーシング放熱性能※]※ 当社シミュレーション結果によるもの

◉積水サーマルソリューション

積水サーマルソリューション

◉定常熱解析

定常熱解析

独自の熱管理技術で
民生品マイクロプロセッサの
安定動作
を実現

宇宙空間で想定される電磁波障害問題を、独自技術で一挙解決

[電磁波シールド性能]

◉実験方法

KEC法シールド特性測定システム

◉結果

電磁波シールド性能

電子部品の
筐体用軽量EMCシールド
として非常に効果的

開発中の宇宙産業用試作品と
応用品の方向性

宇宙空間での過酷な使用に耐える高信頼性樹脂部品を研究開発中

オールインワン・エンクロージャー

All-in-One Enclosure

すでにSEKISUIは、宇宙の真空空間で安定動作するケーシング製品を構想中です。
電磁波のほか、宇宙線、アウトガス発生問題といった宇宙空間で想定される課題をクリアし、対極温や耐振動性に優れつつ、軽量化を実現。
プラスチック成形品が得意とする複雑な一体成形に実現できるため、パーツ点数を減らせるメリットがあります。

SEKISUIの
『オールインワン・エンクロージャー』
コンセプト

※2028年に軌道上での実証実験が予定されている

オールインワン・エンクロージャー
※お好みの電子機器を選んで取り付けてください
人工衛星への需要

軽量電子機器筐体による
トータルソリューション

宇宙産業向け
プラスチック成形品を共同開発

SEKISUIは、国内外を問わず、これから宇宙開発ビジネスをスタートするお客様とのパートナーシップを募集しています。

金属ケーシングの代替品や、電磁波シールドや放熱など高付加価値を持つプラスチチック製品をお探しのお客様ならぜひお気軽にお問い合わせください。
お客様の高難度のニーズや、宇宙環境に耐えうるハイスペックを実現するため積水テクノ成型の技術ノウハウ、リソースをフル活用して共同開発をしてみませんか?

お客様の超難度な仕様要求を
プラスチック成形技術ノウハウで
クリアします

お客様対応フローと開発体制

宇宙産業に携わるエンジニア様との
「二人三脚」での開発体制も想定

宇宙産業の製品開発において、担当エンジニア様との密接な関係を構築しながら、設計から試作品製作、製品化・量産にいたるまで手厚くサポートさせていただきます。様々な最先端の産業ビジネスで培った実績を元にして、宇宙産業向けのプロダクツを協働開発します。

開発から納品までのフロー

樹脂成形開発品における、開発から納品までのフロー

積水テクノの高度な射出成形技術と
CAE解析による信頼性重視のモノづくり

積水テクノ成型は、「車輌部品」「産業用品」「土木資材用品」の3つの分野での射出成形事業を基幹ビジネスとし、特に車輌部品関連では、高い意匠性と機能性が求められる、外装や内装部品づくりの開発・生産技術、ノウハウを保有。CAE解析をもとにした設計から、金型・成形・加工まで一貫した生産工程を実現しています。

国内に3拠点、海外に1拠点の生産工場があり、大型射出成型機や各種付帯設備など充実した生産設備、検査装置を有します。プラスチック素材自体や高度な射出成形技術、エンジニアリングのノウハウを活かせることは、積水テクノ成型としてのグループ力ならびSEKISUIブランドならではの最大のメリットです。

開発から納品までのフロー

CAE解析を元にした、二輪・四輪の内外装、船外機能部品の開発に豊富な実績も持つ

宇宙産業用新開発プラスチック製品の
お問い合わせや、試作依頼はこちら

積水テクノ成型株式会社 マーケティンググループ

よくあるご質問と用語解説

よくあるご質問

宇宙用途での実績はありますか?

現在、宇宙分野への参入を検討している段階です。
そのため、開発初期からの技術ディスカッションを重視しています。

宇宙向け評価への対応は可能ですか?

用途・要求条件に応じて、評価の進め方についてご相談可能です。

宇宙用途に特化した製品ですか?

現時点では宇宙専用品ではありませんが、これまで培ってきた技術や製品開発の知見を活かし、宇宙分野で求められる要求事項への対応を検討しています。
開発初期段階から要求条件を共有いただくことで、最適な仕様をご提案いたします。

試作品や少量製作にも対応できますか?

開発段階での試作品製作や少量ロットでの対応について、ご相談が可能です。
設計仕様や開発フェーズに応じて、最適な製作方法をご提案いたします。

どのような宇宙プロジェクトを対象としていますか?

ロケット、人工衛星、探査機、宇宙ステーション関連機器、地上局設備など、幅広い宇宙関連プロジェクトへの適用可能性を検討しています。
開発段階や用途、要求条件に応じて、適用可否や技術的な検討について個別にご相談ください。

用語解説

アウトガス(Outgassing)

材料内部に含まれる揮発成分が、真空環境下で気体として放出される現象のこと。宇宙機器では放出ガスがレンズやセンサー表面に付着し、性能低下や誤作動の原因となるため、材料選定時の重要な評価項目となる。

技術実証(Technology Demonstration)

新技術や新材料、新構造の有効性を実環境または実環境に近い条件で検証する工程。研究開発から実用化へ進むための重要なプロセスとされる。

人工衛星(Satellite)

地球や他の天体の周回軌道を飛行する人工物の天体である。ロケットで宇宙空間に打ち上げられ、通信・放送やGPS測位、気象観測、天体・物理観測など、多種多様な用途で社会インフラを支えている。

真空適合性

真空環境においても、材料や部品が安定した性能を維持できる特性。「アウトガスの発生」や「材料変形、劣化の少なさ」が重要視される。

衛星バス(Satellite Bus)

人工衛星の基盤となる共通機能部分のこと。電源供給や通信、姿勢制御、熱制御など、衛星運用に必要な基本システムを担う。

低軌道(LEO: Low Earth Orbit)

地上約2,000km以下の比較的低い軌道を指す。通信衛星や地球観測衛星に多く利用され、近年の宇宙ビジネスで特に注目されている。

デブリ(Space Debris)

宇宙空間を周回する人工物の破片や不要物の総称。「宇宙ごみ」とも言われ、使用済みロケット部品や衛星破片などが含まれ、人工衛星や宇宙ステーションなどへの衝突事故リスクとして問題視されている。

熱制御(Thermal Control)

発熱や外部温度変化から機器を保護し、安定動作を維持するための温度管理技術。宇宙空間では熱の逃げ方が地上と異なるため、重要性が高い。

熱真空環境(Thermal Vacuum)

宇宙空間を模擬した、高真空かつ極端な温度差を持つ試験環境である。宇宙機器の耐久性や信頼性評価に広く用いられている。

熱伝導率(Thermal Conductivity)

熱の伝わりやすさを示す物性値である。数値が高い材料ほど熱を効率よく拡散でき、放熱設計で重要な指標となる。

放射線耐性(Radiation Resistance)

宇宙空間に存在する高エネルギー放射線による劣化や機能低下に耐える性能のこと。電子部品だけでなく、樹脂や接着材などの材料にも長期的な耐性が求められる。

放熱設計(Thermal Design)

熱の流れを制御し、局所的な熱集中を防ぐための設計手法。材料特性と構造設計の両面から最適化が行われる。

ヒートシンク(Heat Sink)

発熱部品から熱を効率的に外部へ逃がす放熱部材(部品)である。電子デバイスの中核となる半導体(CPUやMPU、GPU)の温度上昇を抑制し、パフォーマンス維持や熱暴走トラブル、寿命向上に寄与する。

フライトヘリテージ(Flight Heritage)

過去の宇宙ミッションで実際に採用・運用された実績を指す。宇宙分野では高い信頼性が求められるため、採用判断における重要な指標となる。

CTE(熱膨張係数)

温度変化によって材料がどの程度膨張・収縮するかを示す物性値のこと。異なる材料を組み合わせる構造では、CTE差によって熱応力や変形が生じる場合がある。

EMC(電磁両立性)

Electromagnetic Compatibilityの略称。電子機器同士が電磁ノイズの影響を受けても、互いに正常動作できる性能を指す。

EMI(電磁干渉)

Electromagnetic Interferenceの略称。電子機器から発生した電磁ノイズが、他の機器に悪影響を与える現象を指す。

JAXA

日本政府全体の宇宙開発利用を技術で支える中核的実施機関。同分野の基礎研究から開発・利用まで一貫して行う。
2003年に宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)、宇宙開発事業団(NASDA)の3機関が統合して誕生。

NASA

NASA(米国航空宇宙局)の略称。航空宇宙分野の研究開発を担う米国の政府機関であり、世界の宇宙開発を牽引する存在である。

TC(Thermal Control)

Thermal Controlの略称で、機器内部の温度を適正範囲に維持するための熱制御技術を指す。放熱、断熱、熱拡散などを総合的に設計し、安定動作を支える役割を担う。

TRL(技術成熟度レベル)

Technology Readiness Levelの略称で、技術の成熟度を段階的に評価する指標である。基礎研究から実運用までを複数レベルで分類し、実用化の進捗を可視化する。